FXチャート解説 『USDJPY』2016/11/15頃
2016年11月15日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。
M15レベルの上昇トレンドがレジスタンスに到達して、下降調整波が発生して、横の展開が作られている場面です。
M15レベルの上昇トレンドがレジスタンスに到達したことで、ダブルトップの形から上昇が止まり、下降調整波が発生していますが、下降調整波の力が強くはない為に「横の展開」を作っています。
他の記事にも書きましたが、価格は必ずチャートポイントにて転換します。
なので、逆説的には価格の動きが転換したということは、そこには必ずチャートポイントが存在するということです。(※観測しているトレーダーが認識している、していないに関わらず)
今回の場面を先に、上位の時間軸で確認します。
日足レベルで注目度の高いレジスタンスを終値ベースで上抜けた場面が今回の場面ですね。
日足の大きな陽線でレジスタンスを上抜けた後、陰線が形成され始めているのが、M15レベルでの「横の展開」の部分ですが、この調整を生む要因となっているレジスタンスが何なのかが、正直今一つチャート分析からは分かりづらい場面です。
日足レベルでレジスタンスを引いてみても、しっくりきませんし、中途半端な波に対してFIBOを引くと38.2%のラインを見つけることが出来ますが、これも正直無理やり感があります。
なので、水平線ベースだと正直強いチャートポイントに到達したわけではなさそうだなという印象なんですね。
むしろ、前日にしっかり大きな陽線が注目度の高いレジスタンスを上抜けて確定しているので、その「材料」の方が目立つというのが素直な受け止め方ですね。
さて、再度M15レベルのチャートに戻ります。
上の画像のように、緑色レベルの上昇トレンドのダウ安値付近で出来ているサポートゾーンを引くことが出来れば、どのような攻防になっているかが分かると思います。
攻防の重要な鍵となっているサポートゾーンから3回程買い支えが入っているのが分かります。
ですが、戻り売りを受けて、再度サポートゾーンに陰線が深く侵入してきている状況が上の画像の時点ですね。
どうですか?
上の画像の時点だと、最新の足はそこそこ大きな陰線で「いよいよ下抜けていきそうだな」と感じる陰線ですよね?
ですが、実はM15レベルでこのローソク足はまだ確定していないんですね。
実際に確定した場面が下の画像です。
あの後に、買い圧力が加わって、むしろ長い下ヒゲで確定しています。
こうなると、印象はだいぶ変わってきますよね。
「このサポートゾーンでは、やはり強い買い圧力が加わるんだな」という買いの材料であり、このサポートゾーンを背にした買いを考える人が発生します。
実際、この後はこの下ヒゲを機に上昇波が発生しています。
そして、この上昇波が発生する辺りで「横の調整」が完了したと相場参加者の多くが判断したようで、下降調整波の重要なレジスタンスとの攻防になった後、上抜けていくことで上昇推進波が再開していく流れでした。
上の画像の青色点線の範囲辺りがレジスタンスに到達することによって発生した「調整(横の展開)」の部分ですね。
レジスタンスからの売り圧力がもっと強ければ、この調整の形は違う形になったと思います。
M15レベルの上昇トレンドが到達したレジスタンスがもう少し注目度の高いものであれば、上の画像のサポートゾーンとの攻防での売り勢力も強くなったかもしれません。
そして、上の画像の陰線のように、しっかり終値で抜けて確定していれば、下降調整波の形は違ったものになったと思います。
ただ、今回は到達したレジスタンスがそこまで注目度が高くなかったので、やはり売り勢力が弱く、サポートゾーンを下抜けることが出来なかったというのが事実ですね。
そういった展開になるという予測をする相場参加者が多かったという背景の中、サポートゾーンを下抜けようとした陰線が失敗して、大きな下ヒゲが出来たという材料は潜在的な買い勢力も呼び込むことになって、上昇推進波を再開させる展開になったというわけですね。
まとめ
ローソク足がチャートポイントに対して、どのような形で終値を確定させるのか?という情報は重要な材料です。
水平線に対してであれば、終値でしっかり抜けて確定するのと、ヒゲで反発が確定して確定するのでは、意味が全然違いますよね。
もちろん、これは材料の1つに過ぎませんが、トレンド方向に沿った材料であれば、起爆剤になる可能性があります。
トレンド方向に対してはポジションを持ちたいと考えている相場参加者が多くいるわけです。
トレーダーそれぞれ考え方が違いますから、ポジションを持つタイミングというのは違ってきますが、基本的には「材料」を機にポジションを持ちます。
ある「材料」を機にポジションを持つ相場参加者が多いと、それ自体がチャート上に新たな「材料」として示されて、その材料が次の注文を呼び込んで、、という風に連鎖的に注文を呼び込むことで、波は伸びていきます。
もちろん、これはトレンド方向に沿っている順行方向に対して、より発生しやすい傾向にあるわけですね。
逆説的に言うと、これが発生しやすい方向こそ、「トレンド」とも言えます。