【FXチャート解説:EURUSD】推進波再開の「強い展開」がフラクタル構造を形成

アイキャッチ画像チャート解説

FXチャート解説 『EURUSD』2021/11/10頃

2021年11月10日頃の『EURUSD』のFXチャートについての解説です。

M15レベルの上昇トレンドがレジスタンスに到達して、攻防が出来上がり、本命の戻り売りが入ってくる場面ですね。

チャート解説1

この緑色レベルの上昇トレンドは、上位時間軸においては実は上昇調整波なんですね。

なので、上位時間軸のレジスタンスに到達して戻り売り勢力が入ってきて、上の水色枠の攻防が出来上がり、売り勢力が勝利して、攻防を下に抜けていったという場面です。

実は、この場面は以前に「週報」でも取り上げた場面です。

【週報ラプラス】2021/11/8-12『EURUSD』FXチャート解説
2021年11月8日から12日の『EURUSD』のFXチャートについて解説。実戦例も紹介。

さて、この場面をもう少し下位レベルで見てみます。

チャート解説2

まず、ダウ安値(M15)レベルをしっかり下抜けることが出来なかった波があることで、水色枠の攻防が出来上がってます。

その攻防をしっかり下抜けたと多くの相場参加者が認識したのが上の画像のピンク色①の下降波ですね。

エリオット波動的には「第1波(先発隊)」ですね。

まだ攻防に勝てるかどうか分からない時から売りポジションを持った勇者達です。

その後、攻防の決着をまだ諦めきれない残党や早目に利確する人達などによる上昇波が発生しています。

エリオット波動的には「第2波(調整)」ですね。

ですが、第1波の下降波で攻防をしっかり下抜けて決着が付いている、つまり「下降推進波が再開する」と考えている相場参加者が多かった為、FIBO50%程の調整から戻り売り勢力が入ってきて、再度下降波が再開して伸びていきます。

エリオット波動的には「第3波(本隊)」ですね。

上で書いた通り、攻防が出来上がる前に上昇してきていたM15レベルの上昇トレンドは、上位時間軸レベルでは「上昇調整波」なので、しかるべきレジスタンスからの「下降推進波」の再開が期待される場面なわけです。

そして、その合図になり得るエリオット第1波的な下降波が攻防を下抜けたので、このエリアで下降推進波がさらに伸びることを期待している相場参加者が多く待っていたので、FIBO50%程から続々と参入してきたというイメージですね。

チャート解説3

さて、その後「4波」「5波」と伸びた後に、この下降トレンドのダウ高値を上抜けてしまいます。

上の画像の緑色枠のエリアですね。

ダウ高値を上抜けたので、トレンド転換して上昇して伸びていくと思いきや、全然伸びないので、「ダマシ!?」と思ってしまう人もいるかもしれません。

これは他の記事にも書きましたが、一つの時間軸だけを見ていると理由がなかなか分からないだけで、ダマシでもなんでもない素直な展開なんですね。

上位時間軸で確認してみます。

チャート解説4

上位時間軸で見ると、先程確認した「①→②→③→④→⑤」の下降トレンドを含む大きな下降波が、水色枠の攻防を決着させた「第1波(上位の先発隊)」という風に見えるんですね。

その後、上昇調整波の急所のサポートゾーンで上昇を諦めない人達や、早目に利確した人達による上昇波(第2波)が発生しています。

もちろん、上位時間軸からするとこの上昇波(第2波)は「上昇調整波」ですね。

なので、しかるべきレジスタンスからの下降推進波の再開を期待して待っている相場参加者が上位時間軸レベルでもたくさん居るわけですね。

そして、FIBO50%程のところに、先程の攻防の下限の水平線があり、これがレジサポ転換して機能して上位時間軸の「第3波(上位時間軸の本隊)」を期待する戻り売り勢力が入ってきています。

先程の5分足のチャートで「ダマシ」の展開に見えた緑色枠のエリアは

「5分足レベルのトレンド転換を期待した買い勢力」 VS 「30分足レベルの推進3波(本隊)を期待した戻り売り勢力」

という攻防だったわけですね。

そして、実際にも上位時間軸の推進波の再開を期待する相場参加者のエネルギーの方が強かった為、売り勢力側が勝利して、その後も強く伸びていく「強い展開」でした。

まとめ

攻防に決着をつけた「第1波(先発隊)」には乗れなかったけど、「第3波(本隊)」には乗りたいという心理が多くのトレーダーには働きます。

これは、FX相場に限らず、多くの「流行」における人間の心理ですね。

「第1波」を見て、自分も利益を上げたいと思う心理が、「第3波」を逃したくないという心理につながり、割と浅い調整でも積極的に押し目買い・戻り売り注文が集まりやすい場面があります。

いわゆる「強い展開」ですね。

強い展開が期待されるとFIBO38.2%やFIBO50%程の浅い調整で推進波が再開することが多々あります。(※もちろん毎回浅い調整になるわけではありません)

今回は、下位時間軸にも上位時間にも「強い展開」が見られたわけです。

今回紹介した場面は、下位レベルでの攻防を決着させた「第1波」を確認した後の「強い展開」からの「第3波」発生の流れがあり、またそれらを一つの波として捉える上位時間軸においてはそれらの波全体が「第1波」であり、その後上位時間軸レベルでの「第3波」が発生しているというフラクタル構造になっていたんですね。

なので、一つの時間軸だけを見ていると、上位時間軸のもっと強い要素を見落として「ダマシ!?」なんてことになってしまうので要注意ですね。

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