【FXチャート解説:AUDUSD】「アーチ型」は相場参加者の心理変化がきれいに現れた形

アイキャッチ画像チャート解説

FXチャート解説 『AUDUSD』2019/9/16頃

2019年9月16日頃の『AUDUSD』のFXチャートについての解説です。

H1レベルの上降トレンドがレジスタンスに到達して、トレンド転換していく場面です。

チャート解説1

上位時間軸の下降推進波を親波としたFIBO50%のラインですが、この下降推進波は勢いが強いので、FIBO50%だけでも十分上位の戻り売り勢力が入ってきてもおかしくないチャートポイントです。

実際、上の画像を見た通り、このレジスタンスから戻り売り勢力が入ってきたことによって、H1レベルではダウ安値を巡る攻防が出来上がり、それを売り勢力が勝利してトレンド転換をしていく流れでした。

さて、この場面はこのようなイメージにも見えますよね。

チャート解説2

上の画像の水色の線がまるで「アーチ(橋)」のような形になってます。

上昇トレンドの部分は徐々に勢いがなくなり、その後トレンド転換した後の下降トレンドの部分は徐々に勢いが増していきます。

これはまさにこのエリアの相場参加者の「心理の変化」がきれいに現れた形だと言えますね。

最初は勢いがあった上昇トレンドも上位の戻り売りポイントであるレジスタンスに近づくにつれて、徐々に勢いがなくなります。

これは、上昇トレンドで買いポジションを保有しているトレーダーの決済する時の心理に注目してみると、レジスタンスの結構手前で手堅く利確する人が少し現れて、レジスタンスに近い所まで到達して利確する人がもう少し増えて、レジスタンスに到達することでさらに利確する人が増えるというイメージですね。

この心理の変化に乗じて、新規の売りポジションを建てる人もいるわけですが、ポイントは上昇トレンドに乗っていた相場参加者達がいきなり居なくなるのではなく、レジスタンスに近づくにつれて徐々に居なくなるので「アーチ型」になるわけです。

チャート解説3

レジスタンスに到達して、利確して上昇トレンドから降りる人が増える一方で、レジスタンスからの反発下落を期待して新規で売りポジションを建てる人が増えます。

ここで「レジスタンスから反発派(売り)」「H1上昇トレンド継続派(買い)」の攻防になっているわけですね。

レジスタンスに到達した後も緑色レベルで見ると高値を2回更新しているのですが、レジスタンスからの売り圧力のせいでほとんど更新出来ていません。

その後、ピンク色枠の攻防になっているわけですが、ついには高値が更新できなくなり、ダウ安値ギリギリで買い支えたりしますが、徐々にパワーバランスが逆転していき、ついには売り勢力が勝利して攻防を下抜けていく展開です。

この攻防の部分は「アーチ型」のちょうど平になっているエリアですよね。

つまり、パワーバランスが拮抗して、逆転していくエリアということですが、それは相場参加者の心理の変化とも言えますが、ゆるやかに「上昇→拮抗→下降」と変わっていることが分かります。

その後は、攻防の決着がついたにもかかわらず抵抗する残党による、いわゆるエリオット第2波的な上昇を吸収した後に、エリオット第3波的に下落が加速していくわけです。

これは、攻防の最中は「本当に反発するのかな?(1波)」と保守的だったトレーダーも、攻防を売り勢力が勝利し、粘りの抵抗勢力(2波)も倒して下落し始めたのを見て、「これは本当に下落しそうだぞ(3波)」と乗っかっる人達が増えてくるからですね。

なので、平な部分を少し過ぎると、加速的に下落していき「アーチ型」になっていくわけです。

まとめ

FXの相場にはたくさんの相場参加者が関わっていますので、トレンド転換をする時にはその波レベルに応じた「時間」がかかるのが普通です。

相場参加者がみな同じ考えを持っているわけではないからですね。

今回の「アーチ型」は相場参加者の心理の変化がきれいに現れた形だと言えます。

レジスタンスに近づくにつれて徐々に勢いが無くなり、拮抗状態を経て、トレンド転換の後、徐々に勢いが増していく。

前進している車がブレーキをかけて制動距離を走った後止まり、ギアを「R(リバース・後進)」に変えて(トレンド転換)から、アクセルを踏んで徐々に加速していく様とそっくりですね。

ちなみに、「アーチ型」を描きそうだからといって必ず「アーチ型」の展開になるわけではないのはいわずもがな。

今回は、トレンド転換を果たすだけの上位環境であり、それだけのレジスタンスに到達したから、トレンド転換をしたわけですね。

「アーチ型」になりそうなトレンドの減衰が起きたものの、そのままほとんど横の展開から、再度同じ方向に加速していくなんて展開も十分あり得ます。

環境認識は忘れずに。

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