2020/6/08-12『EURUSD』チャート解説
2020年6/08-12の週の『EURUSD』のFXチャート解説です。
まずは、6/08-12の週のEURUSDの「H4」と「H1」のFXチャートから見てみましょう。
前の週の終わりでD1レベルのレジスタンスゾーンに到達したところから、ここからの調整を確認していく週でした。
一度、日足チャートを見ておくと分かりやすいですね。
このD1レベルのレジスタンスゾーンに到達したのが前の週の終わり。
ですが、「車は急に止まれない」のと同じで、トレンドもチャートポイントに到達したからといって、すぐに反転していくとは限りません。
実際、今回もH4レベルの上昇トレンドが継続すると考えた相場参加者がある程度存在した為、D1レベルのレジスタンスゾーンから下降していくと考えた相場参加者との間での攻防となります。
D1レベルのレジスタンスゾーンに初回到達時に下降波が発生しますが、H4レベルの上昇トレンド継続派の押し目買い勢力の方が強く、再度レジスタンスゾーンの中に戻ります。
ですが、高値をあまり更新出来ずに、持ち合うような重たい形になり、この持ち合いを下に抜けた下降波がそのままH4レベルのダウ安値を下抜けて、トレンド転換する展開でした。
「重たい形」というのは単純に持ち合っているということですが、この形が出来た場場所が「上位のレジスタンスゾーンに到達した」場所であり、また「ダブルトップ」の絵が見えてきた場面というのが、大きい「材料」として相場参加者の多くに判断されたということです。
持ち合いを下に抜けた時点では、まだH4レベルの上昇トレンド中であり、下降波を「下降調整波」として見ることが出来ます。
ですが、今回は①高値をあまり抜けずに「ダブルトップ」の絵 ②実際に持ち合いを下に抜けてきた ③上位のレジスタンスゾーンに到達した場面 という「材料」が揃ったことによって、「上位レベルで大きく調整に入る」と考える相場参加者が増えたことによって、そのまま下に抜けていったという展開でした。
次の週は、この上位の調整を確認していく週になりそうです。
実戦紹介
では、この週の中から実戦の場面を1つ紹介します。
まずは、下の画像を見てください。
上位のレジスタンスゾーンに到達後に発生した下降波が、上昇トレンドの急所であるダウ安値を割って、下降トレンドが発生した場面。
この下降トレンドの継続を戻り売りで取っていくというトレードですね。
下位レベルで見てみます。
この戻り売りを狙う場面、本当は上の画像にある通り、急所のレジスタンスゾーンまで引き付けたかったんですが、他にも「材料」が重なったので、再調整のリスクを抑えて、売りエントリーできるという判断です。
①戻り深度がFIBO61.8%で十分 ②下位のレジスタンスゾーンでの反発の場面 ③上昇調整波がダブルトップという明確な反転の形になり下抜けた という少なくとも3つの材料が揃いました。
損確は、ダブルトップのすぐ上などが候補ですね。
利確に関しては、下位レベルで高値を抜けてきたところで、手堅く利確するのが1つの候補。
上位のレジスタンスからの下げの展開がもう少し続くと予測していれば、ホールドでして大きく狙うのも1つの選択肢ですね。
上位で見ると、今回のトレード場面はこんな感じ。
上位のレジスタンスからの下降波がダウ安値を下抜けて出来た下降トレンドにおける戻り売りが今回のトレードプランの核(コア)になってます。
ですが、上位で見るとこの下降トレンドは「調整波」なわけです。
もちろん、ただの調整波であれば、この形ではトレードしませんが、「上上位のレジスタンスに到達して発生した下降トレンド」なので、上位の上昇トレンドを崩して下降波が本格化するという期待が持てる波なんですね。
なので、実際にトレード場面の後は上昇トレンド継続派と下降トレンド本格化派との攻防が起きて、持ち合いの形になっています。
取引 下降トレンド + 上上位 レジスタンス VS 上位 上昇トレンド
こんな構図ですね。
なので、利確の考え方としては、上上位の力を借りて上位の上昇トレンドを倒していく流れを取っていく狙いとしてホールドするのもありなんですね。
ですが、上位の上昇トレンドはまだ転換していないので十分継続する可能性があります。
なので、押し目買いが入ってくると予測できる注目度の高いサポートに到達したところで、積極的利確をするのも利確の1つの案です。
下降トレンドが本格化する展開だとしても、一度大きく調整に入る可能性があるので、その間ずっとポジションを持っているのは微妙ですよね。
結局、今回は上昇トレンドが粘りを見せて、高値を上抜けていく展開でしたので、ある程度手堅く利確しておいた方が吉でした。
ですが、中段で持ち合いを作って下抜ける形でしたし、上上位の注目度の高いレジスタンスからの下降波だったので、このまま下降波が本格化することも十分に期待できる場面でした。
なので、勝率が下がることを理解したうえで、大きく狙ってホールドして、今回は大人しく損確というのもスタイルの違いの範疇だと言えます。
まとめ
前の週でD1レベルのレジスタンスゾーンに到達したH4レベルの上昇トレンドが粘りを見せたけどダブルトップの形で結局ネックラインを下抜けて調整に入ったというのがこの週の動きでした。
実戦例で紹介した戻り売りのトレードプランは、上上位のレジスタンスからの下降波が本格化していくという予測がベースになっています。
ですが、この予測は結果としては外れています。
しかし、「下降波が本格化していくとしても、上位の上昇トレンドはまだ崩れていない場面なので、少し慎重になろう」という考えさえあれば、十分に利確で終われています。
「こうなるだろうけど、一応こういう可能性も残っている」という思考は、勝率を上げる為には重要な考え方です。
慎重になることで、損益率は小さくなりますが、勝率が上がります。
ですが、十分に大きく狙えるという根拠があれば、利確を伸ばすというのももちろんありです。
勝率は下がりますが、損益率が上がります。
どちらが正解というわけではなく、どちらもしっかり根拠があり、期待値がプラスになるのであれば、スタイルの違いの範疇と言えます。
まあ、個人的には今回の実戦例の場面で大きく狙うのは、少しスケベトレードかなと思いますが、、、
大事なのは十分に勝算がある場面を選び、常に論理的に判断をしていくことです。
その論理の積み重ねが、期待値の上積みとなって、トータルで利益が残っていくことになります。