【FXチャート解説:USDJPY】ダウ理論よりも早目に推進波を見立てても良さそうな場面がある!?

アイキャッチ画像チャート解説

FXチャート解説 『USDJPY』2020/6/3頃

2020年6月3日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。

M15レベルの上昇トレンドに一旦押しが入った後、再度押し目買い勢力が入ってきて、高値抜けしていく場面ですね。

チャート解説1

レジスタンスを上抜けた上昇波に押しが入った後、押し目買い勢力が入ってきて攻防になった結果、高値を上抜けていきますが、この押し目買いが入ってくる水準が今回はとても浅い位置から入ってきてますね。

それだけ、この上昇波の勢いが強い、人気が強かったということです。

なぜ、上昇波の勢いが強かったのか?

チャート解説2

上の時間軸で確認すると、上の画像のような環境だったんですね。

何度も売り圧力がかかった重要なレジスタンスをやっと上抜けた場面だったんです。

これは、もっと左側でも売り圧力がかかっているところがある、1か月以上に渡って攻防になっていたレジスタンスだったんですね。

その注目度の高いレジスタンスを上抜けた上昇波でしたので、上位レベルで次のレジスタンスまでもっと伸びるだろうと考える相場参加者が多かったので、下位レベルで押しが入った今回の場面も調整が浅いところから押し目買い勢力が入ってきたんですね。

チャート解説3

ですが、上昇波勢力が強いとはいえFIBO38.2%も調整していないので、もう少し調整で下落するだろうと考える相場参加者もいるんですね。

そんな思惑の入った下降調整波に対する戻り売りによる下落も確認できます。

しかし、サポートゾーンからの買い支え勢力によって、早々に戻り売り失敗の絵になってしまいます。

チャート解説4

ちなみに、緑色レベルでは下降調整波になる下降波が発生してダウ安値を割った時点で上昇トレンドが終了しています。

人によって考え方は違うと思いますが、「下降トレンドへの転換」と考える人や「下降トレンド?」「トレンドレス」という捉え方になり、少なくとも緑色レベルにおいてダウ理論ベースでは「上昇トレンド」ではないわけですね。

その中で上記の「戻り売り失敗」が発生しています。

さて、環境的にはとても強い上昇波が発生しており、サポートゾーンに押しが到達した後に押し目買い勢力の確認が出来て、戻り売り失敗の材料も出現しているとなると、「もう上昇推進波が再開してぐいぐい伸びていってしまうのでは?」と考える相場参加者が増えてきてもおかしくないですよね。

すると、ダウ理論上では緑色レベルではまだ上昇波は「推進波」と断定は出来ませんが、上記の環境や材料から「推進波」と見立てて買いポジションを建てる人が増えそうな場面と言えるんですね。

チャート解説5

結果、上の画像のようなサポートゾーンとレジスタンスゾーンの攻防になるわけですね。

売り勢力側の主な主張は「緑色レベルでダウ安値を割っているので、下降トレンド中。全体の調整もまだ浅いので下降調整波がまだ下落するだろうし、高値を上抜けるまでは緑色レベルでは下降トレンド」

買い勢力側の主な主張は「全体の調整の押しは浅いけれど、今回は環境的に上位で重要なレジスタンスを上抜けた直後で人気のある上昇波なので押し目買いが入り始めており、緑色レベルで戻り売り失敗の材料も出たので、もう上昇推進波が再開してもおかしくない」

という主張のぶつかり合いがこの時間軸レベルの攻防を生んでいるわけです。

実際、環境的にも上位の絵は「買い勢力」側に味方しているし、何よりこの攻防を制した場合の見込める利益が上位の本命方向である買い勢力側の方が大きいですよね。

よしんば、この攻防を売り側が勝利したとしても、次のサポートですぐにまた押し目買い勢力が入ってきて、、、と大きな利益は望めそうにありませんが、上位レジスタンスのブレイク方向である買い勢力側が勝利すれば、そのブレイクのエネルギーにあやかってぐいぐい伸びていっても不思議ではありませんよね。

もちろん、毎回テクニカル分析通りになるわけではありませんが、やはりなるべく自然と期待が見込める方にポジションを取りたいですね。

実際、この場面はやはり買い勢力が攻防を制した後、ぐいぐいと大きく上昇して伸びていく展開でした。

なので、攻防になった際にダウ理論上ではまだ「上昇推進波」と断定はできなかったですが、環境や材料から「上昇推進波(?)」と見立てることが、このエリアでトレードをする上でのポイントだったと言えます。

まとめ

ダウ理論はFXのチャート分析においてもとてもポピュラーなトレンド判断方法です。

実際、世界中の多くの人が意識している為、「ダウ高値」「ダウ安値」などは攻防になりやすいチャートポイントになっているわけですね。

ですが、ダウ理論も万能ではありません。

よく使い基本原則は「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」というものです。

これは、つまり上昇トレンドであれば「ダウ安値」を、下降トレンドであれば「ダウ高値」を抜けるまではトレンド継続しているとみなすということ。

つまり、ダウ高値・ダウ安値を抜けた時に「トレンド終了」と判断出来るということです。

「トレンド終了」の判断に関しての考え方であって、それが即次のトレンド転換かというとダウ理論ではそのような定義はどこにもないんですね。

むしろ、杓子定規にダウ理論を捉えるなら、トレンド終了後には再度「高値・安値がどちらも切り上げ・切り下げ」の状態にならない限り、トレンドとは認定されないと考えられます。

この辺りが実際のトレードの場面では「ダウ理論では判断が遅い」と言われたりする要因の1つですね。

なので、今回紹介した場面などでトレードをするのであれば、他の環境認識や材料を使って補完したりする必要が出てきます。

ですが、その為にはやはりデモトレードなどを通じて経験を積んでいないと判断が難しかったりするんですね。

もちろん、その様な微妙な場面は避けておくというのが、トレード成績が安定しない内は賢明な判断だと思います。

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