FXチャート解説 『EURUSD』2019/09/20頃
2019年9月20日頃の『EURUSD』のFXチャートについての解説です。
H4レベルやD1レベルでは下降トレンドなのですが、H1レベルで横の展開を作っている状況です。
この局面で上の画像のような「売り圧力」がかかっているゾーンと、「買い圧力」がかかているゾーンを見極められると、その後の展開を予測するのに役立ちます。
チャートポイントというのは、基本的には「帯(ゾーン)」なので幅を持たせてチャートを分析すると見つけやすいと思いますが、明らかに「圧力」がかかっているゾーンが認識できることがあります。
上の画像のサポートゾーンは少し見づらいので、下位レベルに落としてみます。
M15レベルで見ると、元は戻り売りの圧力との攻防になった後に買い抜いて上げていったサポートゾーンだと分かりますね。
その後、右側で複数回買い圧力がかかっていることが確認出来ます。
現在、H1レベルでは横の展開ですが、さらに詳しく見ると「売り圧力」が確認できるレジスタンスゾーンと「買い圧力」が確認できるサポートゾーンの間での攻防という認識が出来ると思います。
さて、この後はこの攻防は売り圧力側が勝利して、サポートゾーンを下抜けていきました。
そして、上位の時間軸であるH4レベルやD1レベルが下降トレンドであることもあり、下に伸びていく展開でした。
何度も買い支えていたサポートゾーンが「ダム」のようにせき止めていたわけですね。
同じ量の水が流れ落ちていくのでも、だらだらと流れ落ちるより、せき止めていたダムが決壊して流れ出すのでは勢いが違いますよね。
もちろん、サポートゾーンを下抜けた後、下降トレンドがしっかり伸びていったのは上位の環境が下降トレンドであったことがポイントです。
なので、今回の話は「タイミング」の話だったりもします。
上位の環境が下降トレンドなので、いつかは下降トレンドで下に伸びていく未来だったとしても、先ほどの攻防が「買い圧力」側の勝利でレジスタンスゾーンを上抜けていたのであれば、もう一段階深い次のレジスタンスゾーンまで価格が上昇していった可能性は高いと思います。
そして、次のレジスタンスゾーンで攻防が出来上がって、その攻防を売り圧力側が勝利することで、しっかりした下降トレンドが再開という流れだったかもしれませんね。
ただし、今回は上の画像の攻防を売り圧力側が勝利することで、「待ってました」と売り目線の相場参加者がぞろぞろと続いてきたことで、下降トレンドが下にしっかりと伸びていったわけですね。
そのきっかけが「買い圧力」がかかっていたサポートゾーンが下抜かれたという「材料」だったわけです。
それまで買い支えていたサポートゾーンが下抜かれたという事実が他の相場参加者達の売り注文を呼び込み、その後の下降トレンドの流れを生み出したといえます。
そのような展開を予測したり、タイミングを測るという意味で「圧力」がかかっているゾーンを見極めることは重要だったりします。
まとめ
チャート上には高値・安値をはじめ様々なチャートポイントが存在します。
もちろん、高値・安値などのチャートポイントを上抜けたり、下抜けたりすることで、展開が流れだすこともありますが、多くの相場参加者が重要な・大きな「材料」として認識してくれないと、決定的な要素にはならなかったりします。
何度も圧力がかかっていることが確認できるレジスタンスゾーン・サポートゾーンというのは、さながら「ダム」のようなイメージです。
ただのチャートポイントを抜けるというよりも、ダムの決壊というのは相場参加者にとって大きなインパクトを与えるわけですね。
また、強いチャートポイントを抜けるだけの勢力の存在を確認できるので、その後の方向感を判断するうえでも大きな材料になります。
もちろん、方向感というのは上位の「環境認識」ありきですが、上位の方向感と沿っている方向へのダムの決壊は大きな材料として判断出来ます。
チャートポイントを「点・線」という感じでピンポイントで捉えてチャートを分析していると、この圧力がかかているゾーンを見逃してしまいがちなので、ぜひ「帯(ゾーン)」としてチャートポイントを捉える見方でもチャートを分析してみてください。