【FXチャート解説:AUDUSD】トレンドが転換時に作る「押し込み」が第2波の正体だったりする

アイキャッチ画像チャート解説

FXチャート解説 『AUDUSD』2019/8/7頃

2019年8月7日頃の『AUDUSD』のFXチャートについての解説です。

H4レベルの下降トレンドが週足レベルのサポートに到達して、上昇反発した場面ですね。

チャート解説1

H4レベルで強い下降トレンドが発生していますが、やはり週足レベルのサポートなので、買い支えが入って、上昇反発しているという場面です。

「推進波」「調整波」という概念でチャートを分析すれば、上の画像のようになります。

もちろん、この見立てで良いのですが、少し別の見方もしてみます。

チャート解説2

上の画像のように「伸び」と「揉み」の部分に分けて捉えることも出来ます。

下降推進波が「伸び」てサポート(W1)に到達して、「揉み」を形成した後に、上昇調整波として「伸び」て上昇反発していくという展開ですね。

「揉み」の部分の正体は、サポートに到達して少し反発した後に「そのまま浅い調整で押し込んでサポートを下抜けていく」という下降トレンド強気派と、「週足レベルのサポートに到達したので、もう少し深いレジスタンスまで上昇反発していく」という上昇反発支持派との攻防ですね。

サポートに到達するまでは強い下降トレンドだったので、「売り目線」の相場参加者がいきなりいなくなるわけではないんですよね。

下位レベルの波レベルの視点でも見てみます。

チャート解説3

週足レベルのサポートに到達した後に発生した上昇波が緑色レベルのダウ高値を上抜けていますので、ダウ理論べースで緑色レベルで下降トレンドは終了しています。

つまり、緑色レベルで自然に考えるなら、週足レベルの反発が始まって、H4レベルで上昇調整波が発生していくと考えられます。

ですが、それまでの下降トレンドが強いと浅い調整深度にも変わらず、ちょっとしたレジスタンスから売り圧力が加わったりします。

今回の場面でも、緑色のダウ高値を崩した上昇波が発生した後も、ぐいぐいと上昇調整波が伸びていくのではなく、「揉む」場面が出来上がっています。

この「揉む」場面の売り勢力の根拠は、「浅い調整からのH4レベルの下降推進波の再開」ですね。

簡単には、「まだまだ下落するぞー」っていう風に考えている相場参加者達ということです。

それまでが強い下落で下げてきているので、すぐには目線が切り替わらない相場参加者もいるわけです。

そんな売り勢力の存在が、サポートから上昇反発しようとした買い勢力を「押し込む」ような展開です。

結果的には、やはり「調整が浅過ぎたこと」や「週足レベルのサポートを背にしている」という買いの材料が強かった為、週足レベルのサポートをそのまま押し込んで下抜けることは出来ずに、本格的に上昇反発していく流れでした。

つまり、緑色レベルにおいては、下降波が「下降調整波」だったわけですね。

この見立ても、緑色レベルではダウ高値を上抜けているので自然な見立てではあります。

チャート解説4

「まだまだ売り目線だー」と言わんばかりの浅い調整からの売り勢力による押し込みは結果的にも「下降調整波」だったわけです。

つまり、緑色のダウ高値を上抜けることの出来た上昇波をエリオット第1波と見なすなら、無理に押し込んできた下降波がエリオット第2波であり、その押し込みが失敗に終わって、売り勢力がついに諦めて本格的に上昇反発することが出来た上昇波がエリオット第3波と見ることが出来ます。

週足のサポートに到達して、初めに上昇反発をしてみせた上昇波が「第1波」であり、まだ調整が不十分だが売り目線のままだった勢力による押し込みが「第2波」ですが、この部分では第1波は「本当にサポートが注目されていて上昇反発するのか?」という不安、第2波では「調整は浅く不十分だし、緑色レベルではダウ高値を上抜けているが、本当に下がるのか?」という不安がそれぞれあるわけですね。

なので、第1波・第2波というのは、大きく伸びづらいことが多いわけですね。

第1波で上昇反発するという狼煙をあげて、第2波で売り目線の残存勢力の押し込みにあうが、これを再度跳ね返せた時に、満を持して第3波がしっかり伸びていったという展開だったわけです。

一応補足ですが、この展開は週足レベルからのサポートが背景にあって、上目線が有利の展開ですが、忘れてならないのが、H4レベルでは下降トレンドがサポートに到達した場面なので、これらの展開はH4レベルでは「上昇調整波」見立てということですね。

なので、直前のH4レベルの下降推進波の高値までぐいぐい伸びていくという見立ては不自然であり、調整が十分と相場参加者の総意と整うレジスタンスまでが到達目標と考えるのが自然ですね。

まとめ

「車は急に止まれない」

スピードが出ている車がブレーキをかけても、慣性の法則が加わるのと同じように、トレンドが発生するとその方向感に目線をしばらく残したままの相場参加者も慣性の法則のごとく発生するわけです。

上で紹介した例では、週足レベルのサポートに到達して、緑色レベルのダウ高値を上抜ける程の上昇波が発生したにもかかわらず、売り目線のまま強気で売り注文を出す相場参加者が「押し込み」を作ることがあります。

もちろん、この上昇第1波がもっと深い所のレジスタンスまで到達しており、H4レベルの下降推進波再開としての「調整十分」と相場参加者の多くが捉えたのであれば、展開は違ったものになると思います。

ですが、上にも書きましたが、第1波というのは「本当にサポートが注目されていて上昇反発するのか?」という不安と、実際に発生した第2波のような残存勢力の抵抗という不安がある為、伸びづらい傾向にあります。

実際にも、第2波の下降波が安値下抜け失敗に終わった為、それを機に第3波の上昇波が強く上昇していく展開になりましたが、サポートの強さや到達したトレンドの強さの関係性によっては、そのまま安値を下抜けていく展開もあるわけですね。

今回は、H4レベルの下降トレンドを一旦大きく調整させる程には週足レベルのサポートの注目度がしっかりあったということですね。

どちらの見立ても出来るような場面だからこそ、第1波と第2波で構成されるような「揉み」のエリアというのは、価格の動向を予測するのが難しかったりします。

上で紹介した場面であれば、サポートに到達するまでに下落してきたH4レベルの下降トレンドの中や、上昇調整波を構成している上昇第3波の中をトレードする方が比較的トレードはしやすいわけですね。

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