【FXチャート解説:USDJPY】どういった思惑の波なのか?を意識する

アイキャッチ画像チャート解説

FXチャート解説 『USDJPY』2018/6/21頃

2018年6月21日頃の『USDJPY』のFXチャートについての解説です。

W1レベルのレジスタンスに上昇トレンドが到達して、横の展開から高値を上抜けしていく場面ですね。

チャート解説1

上昇トレンドがレジスタンスに到達して、「押し」が入り、その後攻防になって、買い勢力側が勝利して高値抜けをしていくという、よく見る展開ですね。

到達したのは週足レベルのレジスタンスですが、日足で見ても終値で少し上抜けてから押しが入ってきている場面でしたので、結果的に高値上抜けてしていくのを示唆していたとも言えますよね。

さて、今回は上の画像の中の右の方に記した下降波について深堀りします。

この下降波の思惑はなんだったのか?

みなさんも、少し考えてみてください。

チャート解説2

まず、右側の下降波の思惑を考えるうえで欠かせないのが、左側の大きな下降波。

これは、週足レベルのレジスタンスに到達することで発生した下降波です。

上の画像の通り、少なくとも緑色レベルの上昇トレンドを崩した下降波なので、この後に下降トレンドが発生するのであれば、「第1波」として見立てることが出来る下降波ですね。

週足レベルのレジスタンスからの下落を予測して売った人達のすべてではないにしろ、上の画像の水色点線のような下降トレンドの発生をイメージした人達がいることが、この下降波から分かります。

チャート解説3

その後、下降トレンド発生派の思惑とは少し違い、「第2波」である上昇波が強く伸びていきます。

週足レベルのレジスタンスからの下降トレンド発生を期待している相場参加者からすると、まだ上昇波は第2波見立てなので、シナリオが崩れたわけではありません。

ですが、高値を上抜けてしまうとシナリオが崩れてしまうので、それまでに「第3波」が発生しないといけません。

その最後の砦となる日足レベルのレジスタンスゾーンに上昇波が到達しますが、ここから再度戻り売りが入ってきて、やはり上記のようなシナリオを期待した相場参加者が存在することが分かります。

チャート解説4

そして、上の画像のピンク色レベルで確認すると、ピンク色レベルの上昇トレンドを崩した下降波が発生しています。

これは、週足レベルのレジスタンスからの下降トレンド発生を期待する勢力にとってみれば、上の画像の水色点線のように下降トレンドが発生していくシナリオをイメージさせる下降波なわけですね。

このシナリオは大きな下降波が左側で発生した時から、まだ崩れてはいないシナリオです。

D1レベルのレジスタンスゾーンに到達してダブルトップのネックライン割れを発生させた下降波を第1波(小)とした下降トレンドが本格化していくことで、先にイメージされていた第3波(大)が実現されていくというシナリオですね。

第1波(小)の発生から大きくぐいぐい下げていけば、下降トレンド派としては「それ見たことか」と余裕を持って見守れる展開になるのですが、、、

チャート解説5

またも第1波(小)が伸びずに第2波(小)が深く戻ってきてしまいます。

そして、下位レベルの急所のレジスタンスゾーンに到達した場面から発生したのが、この記事の最初にポイントにあげていた下降波なんですね。

つまり、最初に問題にした下降波の思惑とは、「週足レベルのレジスタンスからの下降トレンド発生を期待する勢力にとって、第3波(小)を構成する第3波(小)見立ての下降波であり、この下降波が本格化していくことで、週足レベルのレジスタンスからの下降トレンド発生のシナリオが実現するのではないか」というものでした。

もちろん、売っている人すべての思惑がこの通りではないですが、少なくとも「週足レベルのレジスタンスからの売り圧力」を意識した売り勢力が存在しており、すでに発生した下降波を親波とした戻り売り勢力と相まって、大きな下落を期待する思惑が存在するということです。

このエリアでの売り勢力の一番の砦は「週足のレジスタンスからの売り圧力」なので、逆を考えると上昇トレンド派が高値抜けしていく為には、「週足のレジスタンスからの下降トレンド発生」の期待を崩していかないといけないということでもあるんですね。

チャート解説6

上の画像の青枠の部分でサポートゾーンから買い支える買い勢力と、上記のシナリオを期待する売り勢力の攻防が出来上がっています。

上の画像で示したように、早い人だと大きな陽線でレジスタンスゾーンを上抜けたタイミングでは、その後にぐいぐいと上昇していく展開がイメージ出来た人もいると思います。

これは、それまで粘っていた「週足のレジスタンスからの下降トレンド発生」を期待していた売り勢力側が、攻防に負けて大きな陽線が完成したのを見て、「このレジスタンスから下落していく展開ではないのかな、、、」と諦める人が増えたからですね。

トレンドは抵抗する側の勢力がそのエリアでの抵抗を一旦諦めて、次のチャートポイントまで引いてしまうことで、「ぐいぐい期」に入ります。

「ぐいぐい期」では、利確などの反対注文や新規の反対注文があまり発生しませんので、ぐいぐいと伸びていきます。

結果的に、今回問題にした「下降波の思惑」が攻防によって崩されることによって、このエリアで売る相場参加者が減って、次のチャートポイントに向かって伸びていったという展開だったわけです。

まとめ

今回は、結果てに高値抜けして伸びていく場面だったので、売り勢力側というのは「負け陣営」だったわけですね。

FXは多数決のゲームですので、多数側・優勢側にポジションを取ることが大事ですが、自分がイメージしている陣営側からの目線だけでチャートを分析するのは、少しもったいないんですね。

自分とは逆側の目線にも立ってチャートを分析することで、トレードの精度を上げる情報が手に入ったりします。

 

「何を期待して抵抗しているのか?」

「どこからまだ粘ってくる可能性があるか?」

「どこを抜けたら諦めるのか?」

 

といった目線でチャートを分析することで、必要のない戦いを避けられたり、伸びやすい場面を選択したりすることが出来ます。

十分に含み益が出ているのに、逆目線側のシナリオが守られる最後の砦と戦ったりすると、含み益が一気に無くなってしまったり、、、

逆目線側からもチャート分析することで、重要な攻防に気づけるようになれば、その攻防を制した後に伸びていく場面でトレンドフォローを心掛ければ、伸びるところを捕まえやすくなります。

普段の生活から、相手の気持ちを想像するということが出来ている人は、チャート分析でも自然と出来ていると思います。

どちらかと言うと、「空気が読める」とか「他人のことを気にしがち」な人の方がFXには向いていると思います。

自分がこんな事を言ったら、みんなになんて思われるか、、、なんて必要以上に考えてしまう人は自然と相手の心理をいつも想像しているんだと思います。

逆に、「空気が読めない」とか「わがまま」な人というのは、相手の気持ちを想像する力が足りていない可能性がありますよね。

FXではいかに多数側に身をおけるかというゲームです。

自分の考えなんてどうでもいいんですよね(笑)

みんなが何を考えているかが重要なんです。

ローソクを作れるくらいの資金力があれば話は別ですが、そんな個人投資家はほとんどいないと思います。

機関投資家などの大口や、他の相場参加者が群れとなって作る大きな力に対しては、自分の注文なんて大河の一滴。

「長いものには巻かれろ」

少し格好悪い気がしますが、FXというゲームで生き残る為の唯一の手段です。

 

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