2021/5/31-6/4『EURUSD』チャート解説
2021年5/31-6/4の週の『EURUSD』のFXチャート解説です。
まずは、5/31-6/4の週のEURUSDの「H4」と「H1」のFXチャートから見てみましょう。
前の週でH1・H4レベルで上昇トレンドがダウ理論ベースで終了して、そのまま素直に下げていくかどうかが注目点でした。
それまでがずっと上昇してきた強い上昇トレンドでしたので、やはり残存勢力はいるので、「車は急に止まれない」と同じ現象が往々にしてあるんですね。
H1レベルのダウ安値を下抜けた後に、それまでの強い上昇トレンドを背景とした「残存勢力」による押し目買い勢力が入ってきて、H1レベルのダウ高値付近のレジスタンスゾーンで横の展開を作って攻防になっています。
これは、「素直に下げていく展開 VS まだまだ上昇トレンド」という構図ですね。
それまでの上昇トレンドが強いと、この「まだまだ上昇トレンド勢」が結構強くて時として、そのまま本格化していったりします。
今回も、直前でH1レベルでダウ安値が下抜ける展開だったにも関わらず、押し目買い勢力側が勝利して、レジスタンスゾーンを上抜けていく展開でした。
この時点では、「EURUSDはファンダメンタルズ的にも買われる要因が強いので、まだまだ上昇するのかな?」と思わせる材料ですね。
なので、レジスタンスゾーンを上抜けた後は、次のH4レベルのレジスタンスゾーンまでまたぐいぐい伸びていく展開でした。
さすがに、H4高値をそのまま抜いていくのはレアなケースですが、押しが入った後にまた押し目買いが入ってきても不思議ではない展開だったのですが、、、ここから買い圧力が弱まります。
上の画像で、H4レジスタンスゾーンに到達した後、下位レベルのサポートゾーンでほとんど買いが入らずに下抜けてしまいます。
その下の中段程のサポートゾーンも同様に押し目買いがほとんど入らずに下抜けてしまいます。
これは、買い勢力がだいぶ弱まったという材料ですね。
実際、その後レジスタンスゾーンに抑えられた後、大きなダブルトップのネックラインとなった安値を下抜ける展開でした。
その後、強いサポートゾーン(D1)に到達したので、下落が止まりました。
止まったのは、サポートゾーンということもありますが、大きな経済指標の発表を控えていたからというのもあると思います。
その経済指標の結果もあり、その後大きく上昇する展開でした。
『EURUSD』自体が「買い」基調なので、またサポートゾーン(D1)到達と経済指標の結果を受けて、またぐいぐい買われる可能性もありますが、大きなダブルトップのネックライン割れが発生していますので、攻防の末下落していく展開が素直ですね。
実戦例
では、この週の中から実戦の場面を1つ紹介します。
まずは、下の画像を見てください。
上でも解説した、レジスタンス(D1)に到達後に発生した下降波がサポートやサポートゾーンであまり買いが入らずに下抜けていったのを受けて、戻り売りを狙うトレードプランですね。
下のサポートゾーンなんかは、調整の深さ的にも、もう少し押し目買い勢力が存在するなら、入ってきてもおかしくないサポートゾーンなんですけど、あまり入ってこなかったので、このエリアでは売り勢力が強いのかなという予測が基になっています。
下位レベルで見てみます。
戻りがレジスタンスゾーンまで到達した後に、横の展開になりましたので、持ち合いの下限を下抜けたのを確認して売りエントリー。
もしくは、下降波発生を確認した後に、一度戻りを待ってから、またレジスタンスで反発を確認して売りエントリーというのもアリですね。
損確候補は、レジスタンスゾーンのすぐ上や戻り高値候補のすぐ上が基本ですかね。
利確も見てみます。
結果的にしっかり伸びましたが、途中で到達している各時間軸レベルの安値付近で積極的利確をするのは候補ですよね。
結果的に日足レベルのサポートゾーンまで届きましたので、ここまではホールドしておけば良かったのですが、手前のH4レベルのサポートでも一旦大きく買いが入る可能性はあったので、利確しておくのも悪い判断ではないですよね。
さて、サポートゾーン(D1)までホールドしていたとしても、この日は大きな経済指標の発表が控えていましたので、ここで利確しておきたいところです。
もしも、経済指標の発表までポジションを抱えていたとしても、結果を受けて上昇していき高値抜けをした時点では決済できるようにしておきたいですね。
大きなダブルトップのネックライン割れが完成していますので、今後もしばらく下落が強い展開が考えられますが、『EURUSD』の買い基調とサポートゾーン(D1)に到達していることを考えると、一旦利確しておきたい場面かなと思います。
まとめ
『EURUSD』はこれまでの強い上昇トレンドであったことを受けて、一旦は再度高値抜けを目指すような動きを見せましたが、やはり日足レベルのレジスタンス到達という場面もあって、大きなダブルトップを作ってネックラインを下抜けていく展開でした。
その後、日足レベルのサポートに到達したことと、大きな経済指標の結果を受けて大きく上昇反発しています。
今後は、この上昇を吸収して下げていく展開になるかどうかが注目点ですね。
実戦例は戻り売りだったんですが、ポイントは背景でした。
それまでの上昇トレンドが日足のレジスタンスに到達した場面。
上々位のH4レベルは「下げ」、H1レベルは「下げ」に転換したが、再度「上げ」に転換。取引時間軸は、再度日足のレジスタンスに到達して、再度「下げ」に転換している場面。
上々位から「下げ→下げ→下げ」だったら分かりやすいのですが、「下げ→上げ→下げ」と真ん中のH1レベルが「上げ」なのが難しい場面ですよね。
そこで、今回の場面は、唯一反対のトレンドを示唆しているH1レベルの上げ目線の評価がポイントなのですが、上で解説した通り、H1レベルの上げ目線が強ければ押し目買いが入ってきてもおかしくないサポートゾーンであまり買いが入ってこなかったんですね。
なので、大きなダブルトップからの下落の絵をイメージしている相場参加者が多いのでは?という予測を基に売っていく戦略だったわけです。
もちろん、探せば「買い」の材料もあった場面ではありますが、「売り」の材料の方が強そうだぞ、ということで売りを選択したということです。
この材料の偏りが強い程、自信のある場面ということになるのですが、より自信が持てる場面まで待つというのが、トレーダーの仕事だったりします。