2021/8/30-9/3『EURUSD』チャート解説
2021年8/30-9/3の週の『EURUSD』のFXチャート解説です。
まずは、8/30-9/3の週のEURUSDの「H4」と「H1」のFXチャートから見てみましょう。
前の週の終わりにH4レベルの重要なレジスタンスゾーンに到達して、攻防が出来上がりその攻防を経済指標きっかけで買い勢力が勝利して上抜けたところで終了でした。
この週では、その上昇力が本物かどうかが注目点でしたが、H4レベルのダウ高値で少し持ち合いを作りましたが、そこを上抜けることでH4レベルでダウ理論ベースでの下降トレンドを終了させる強い上昇であることが分かりました。
予想していた水平線よりもう一本下の水平線から強い売り圧力がかかってきました。
本格的に上昇していく為には上抜けなくてはいけないレジスタンスゾーンの下限ともいえる水平線ですが、H4レベルの水平線だとすると、ダウ理論ベースでは下降トレンドは終了しているので、推進波方こうの戻り売り勢力ではありません。
ですが、注目度の高い水平線ではありますので、新規や決済の売り注文がある程度はあるわけですね。
それまでの上昇トレンドとの攻防になりましたが、結局買い勢力がそのまま勝利して上抜けていく展開でした。
H4レベルでは基本的に重要なサポートを下抜けるまでは上目線で良いのですが、上位のレジスタンス付近からの売り圧力には注意しながらという展開になりそうですね。
もっと大きい時間軸で見ると、週足レベルのサポートからの上昇が本物かどうか試されている領域です。
それまでの週足レベルの下降波を親波とした戻り売りがレジスタンスから入ってくる可能性は常に考慮しておくべきですね。
実戦例
では、この週の中から実戦の場面を1つ紹介します。
まずは、下の画像を見てください。
H4レベルのレジスタンスに到達して強い下降波が発生して、M15レベルの上昇トレンドを崩した場面ですね。
H4レベルのレジスタンスからの売り圧力を背景に、この後の場面を戻り売りで拾っていく狙いのトレードプランです。
下位レベルで見てみます。
戻り売りの候補となりそうなレジスタンスゾーンが2つあります。
先に到達するレジスタンスゾーンもFIBO50%は満たしていますし、もう1つの波レベルで観測すると、急所のレジスタンスゾーンになっていますので、こちら側から売っていくのは十分アリですね。
なので、先のレジスタンスゾーン下限に到達して、反発を確認して売りエントリー。
もう少し慎重に見るなら、再度上昇してきて、同じレジスタンスで再度強い売り圧力が加わり長い上ヒゲで確定して、Wトップの絵が見えたタイミングで売りエントリーというのもアリですね。
さらに慎重に見るなら、その後サポートから買い圧力が加わるも、その上昇が失敗に終わり、買い勢力が弱いことを確認できたタイミングで売りエントリーというもありますが、エントリーのタイミングが遅れますので、利確と損確の位置のバランスは考慮する必要がありそうですね。
損確の候補として、2つのレジスタンスゾーンの上と戻り高値候補の上ですね。
一番早い戻り売りのタイミングで入り、かつ損確の位置もその時点での戻り高値候補の上にタイトに設定したのであれば、一度損確になった後に入り直すような展開になったのかなと。
利確も見てみます。
H1レベルの上昇トレンドをまだ崩せていないので、H1レベルのサポートで積極的に利確するというのが手堅いですね。
浅押しで抜けていく期待を持ってホールドしていたけれど、やはり上昇反発が強くレジスタンスを上抜けてきたタイミングで撤退するのも、この場面では手堅いと言えます。
上昇調整波を耐えて再度下降波の再開までホールドしていた場合、H1レベルの安値抜けがほとんど出来ずに上昇反発してくる場面では、各種レジスタンスの上抜けで利確するという案。
そして、H1レベルの大きなWボトムが完成してネックラインを上抜けるタイミングでは攻防の決着が付いてしまう場面なので、遅くともここで利確するのが無難ですね。
まとめ
『EURUSD』はH4レベルで下降トレンドを終えて、上昇局面へ転じています。
重要なサポートを下抜けるまでは上目線で良いですが、週足レベルの下降波を親波とした戻り売りが入ってくる可能性があるレジスタンス付近での攻防には注視する必要があります。
実戦例はH4レベルのレジスタンスからの売り圧力を背景とした戻り売りというトレードプランでした。
ですが、このH4レベルのレジスタンスに到達した時点では、H4レベルでは下降トレンドが終了していたので、下降波が発生したとしても期待出来るのはH4レベルの「下降調整波」です。
H4レベルの下降調整波が発生してくれれば、それで十分だったのですが、結果的にはH1レベルの下降調整波までしか発生せずに、H1レベルの押し目買い勢力との攻防の結果、Wボトムの展開から再度上昇していく流れでした。
なので、トレードとして「調整波」を取りにいっているという認識がしっかりとあったかどうかが重要でした。
自分が乗っている波が調整波であれば、そこまで強気にホールドするという選択肢は選びづらかったはずですので、上にも書いた通り、遅くともWトップのネックライン上抜けのタイミングでは利確ですし、H1レベルのサポート到達での積極的利確でも無難だと言える場面でした。
基本的には、「調整波」方向にトレードすることはお勧めしません。
今回、それでも上のトレードプランを紹介したのは、大きく2つの理由があります。
①乗る調整波の期待が大きな時間軸であったこと。
②さらに上位(日足・週足)レベルで直前に大きな下降波が出来上がっており、その戻り売り勢力も期待出来たこと。
つまり、調整波とはいえ時間軸レベル的にも、勢力的にもトレードが出来るだけの波が発生するのでは?という予測があったということですね。
ですが、もちろん「理想的」とは言えない環境なのは分かるかと思います。
トレードプランを立てるにあたり究極的に理想的な環境というのはほとんど発生しませんので、トレーダーはある程度妥協して、トレード出来る場面を選択していくことになります。
今回の場面では、正直H4レベルの下降調整波が発生してくれたらという期待でしたが、結果的にはH1レベルの下降調整波しか発生しなかったので、危なかったとも言える展開でした。
ですが、少なくともH1レベルの下降調整波が発生させる程の同じような考えを持った他の相場参加者と同調出来たということもまた事実なんですね。
理想的にはもっと多くの相場参加者と同調出来れば良かったのですが、最低限利益を上げるだけの同調は得られたということがトレーダーには重要だったりします。
もっと多くの相場参加者の同調を得られるようなトレードをする為には、やはり環境が重要ですが、それが訪れるかどうかは分かりません。そして、その機が訪れたとしても、自分がトレードが出来るチャートの形になってくれるかも分かりません。
なので、ある程度どこまでなら妥協しても、期待値の高いトレードが出来るのかというのをデモトレードなどを繰り返して掴んでおかないといけないんですね。